2013年08月13日
公園は、遊具でいっぱい。・・・・一回
おはようございます。 いちごです。
今日は、火曜日。童話の日ですね。
先日の静岡新聞に載っていた、油山寺の和尚様のおはなしを読んで、こんなのも書いたっけと思い出した作品がありました。
「えみちゃんと机のモクジィ」は しばらくおやすみさせてもらって、お盆だしするのでこんな作品を投稿してみました。よろしく。
――――***―――――***―――――***―――――
公園は、遊具でいっぱい。・・・・一回
はしもとまさよ
宗市じいさんは、長い行列の中で順番を待っていました。あたりはまっ暗やみで、時々冷たあい風がピューと吹いてきます。遠くの方では、悲鳴とも苦痛ともつかない叫び声が聞こえてきます。
ここは、地獄の入り口。宗市じいさんたちは、えんま大王から、地獄でどんな罰を受けるか言いわたされるのを待っているのです。
まっ黒な顔にりっぱなひげを生やし、ギョロリとした大きな目のえんま大王は、生前悪い事をして人を困らせた者たちに、次々と罰を言いわたしていきます。
宗市じいさんの番になりました。ぶ厚いえんま帳をパラパラめくりながら、
「お前が十歳の時ついたうそは、友の心を深く傷つけ病気にしてしまったな。よって、針の山登りの刑とする。」
えんま大王は、大きな目をギョロリとさせて言いわたし
「大王様、待ってください。その者には、天国から嘆願書が届いております。」
ひょろりと背の高い青鬼が、横から一通の手紙をえんま大王に渡しました。
えんま大王は、またかとめんどくさそうに嘆願書を読みました。
嘆願書の内容
・・・私は、宗市の妻松花江禅尼と申します
夫は、私が死ぬ時「俺もじきに行くからな。あの世でも、また お前と一緒に暮らそう。」と言ってくれました。私は、その日の来るのを楽しみにしていました。
夫は、大工としてたくさんの家を建てました。その家は、みんなじょうぶでしっかりしたものばかりです。五十年、いいえ百年百五十年と建ち続け、風や雨・夏の暑さ・冬の寒さから人々を守り続けてくれるでしょう。
どうか罰を許して、天国で私と一緒に暮らせるようにしてください。・・・
「お前は、松花江禅尼を知っているか。」
大王は、宗市じいさんに聞きました。
松花江禅尼・・・。どこかで聞いたような見たような。
あぁぁとえぇぇぇと・・・ うぅぅぅ・・・
ここで思い出さないと針の山だぞ・・・・
思い出せ 思い出せ 思い出せ・・・・・・
思い出しました。そうだ、居間の仏壇の中だ。
「はい。それは、死んだ女房の戒名でございます。」
「フン、女房の名前は知っていたか。」
大王は、くやしそうな顔をしました。
大王は、えんま帳と宗市と嘆願書を、大きな目でギョロリ、ギョロリと三回見回したあと、しばらく目をつむっていました。
「よし、宗市。針の山は、半年間待ってやろう。半年の間に、何かひとつでも人のためになる事をやれたら、罪を許して天国に昇らせてやろう。きょうは四月十日だから、約束の日は十月十日だ。」
大王は、大きな目をギョロリとさせて宗市に言いわたしました。
「宗市さん、宗市さん。大丈夫ですか。」
おまわりさんの山田さんが、心配そうに宗市じいさんの顔をのぞいていました。
自転車でマーケットに買い物に出かけた宗市じいさんは、公園の前でころんでしばらく気を失っていたのです。
さっきのえんま大王様と青鬼さんの話は、本当だったのかなあ。夢だったのかなあ。
宗市じいさんは、公園のベンチに座り、ころんでぶったひざをさすりながら、横木がなく、くさりだけが四本ぶらさがっているだけのブランコをぼんやりながめていました。
「お母さん、これじゃブランコ乗れないね。」
ブランコの前に、赤ちゃんを抱いたお母さんと男の子がやって来ましたが、横木のないブランコを見てすべり台の方へ行ってしまいました。
宗市じいさんは、ブランコの前に行きました。
「なあんだ。こんなのすぐ修理できるじゃないか。」
宗市じいさんは、家に帰り、角材と大工道具の入った道具箱を自転車の荷台にくくりつけて、公園にもどってきました。
ギーコギーコ、トントン、ガチャガチャ。
宗市じいさんは、三十分もしないうちにブランコに横木を取り付けてしまいました。
宗市じいさんは、まわりを見回しました。
砂場の横にさびついた金属のバネの台座が二つありました。その台座には、木製の馬がのっていました。子どもが乗って動かすとバネの力で馬が前後に動く遊具でした。
宗市じいさんは、家にあった材木のきれはしを使って三日がかりで、馬とキリンを作りました。
つづく
――――***―――――***―――――***―――――
題名、イマイチなんです。いい文字が浮かんでこなくて・・・・。
読まれているうちに、何か良い題名あったら教えてください。
箸にも棒にもひっかからない駄作童話ですが、著作権は放棄しません。
こんな作品でも、読み聞かせ等に利用される時は、
必ず、「はしもとまさよ作」と言ってからにしてね。
今日は、火曜日。童話の日ですね。
先日の静岡新聞に載っていた、油山寺の和尚様のおはなしを読んで、こんなのも書いたっけと思い出した作品がありました。
「えみちゃんと机のモクジィ」は しばらくおやすみさせてもらって、お盆だしするのでこんな作品を投稿してみました。よろしく。
――――***―――――***―――――***―――――
公園は、遊具でいっぱい。・・・・一回
はしもとまさよ
宗市じいさんは、長い行列の中で順番を待っていました。あたりはまっ暗やみで、時々冷たあい風がピューと吹いてきます。遠くの方では、悲鳴とも苦痛ともつかない叫び声が聞こえてきます。
ここは、地獄の入り口。宗市じいさんたちは、えんま大王から、地獄でどんな罰を受けるか言いわたされるのを待っているのです。
まっ黒な顔にりっぱなひげを生やし、ギョロリとした大きな目のえんま大王は、生前悪い事をして人を困らせた者たちに、次々と罰を言いわたしていきます。
宗市じいさんの番になりました。ぶ厚いえんま帳をパラパラめくりながら、
「お前が十歳の時ついたうそは、友の心を深く傷つけ病気にしてしまったな。よって、針の山登りの刑とする。」
えんま大王は、大きな目をギョロリとさせて言いわたし
「大王様、待ってください。その者には、天国から嘆願書が届いております。」
ひょろりと背の高い青鬼が、横から一通の手紙をえんま大王に渡しました。
えんま大王は、またかとめんどくさそうに嘆願書を読みました。
嘆願書の内容
・・・私は、宗市の妻松花江禅尼と申します
夫は、私が死ぬ時「俺もじきに行くからな。あの世でも、また お前と一緒に暮らそう。」と言ってくれました。私は、その日の来るのを楽しみにしていました。
夫は、大工としてたくさんの家を建てました。その家は、みんなじょうぶでしっかりしたものばかりです。五十年、いいえ百年百五十年と建ち続け、風や雨・夏の暑さ・冬の寒さから人々を守り続けてくれるでしょう。
どうか罰を許して、天国で私と一緒に暮らせるようにしてください。・・・
「お前は、松花江禅尼を知っているか。」
大王は、宗市じいさんに聞きました。
松花江禅尼・・・。どこかで聞いたような見たような。
あぁぁとえぇぇぇと・・・ うぅぅぅ・・・
ここで思い出さないと針の山だぞ・・・・
思い出せ 思い出せ 思い出せ・・・・・・
思い出しました。そうだ、居間の仏壇の中だ。
「はい。それは、死んだ女房の戒名でございます。」
「フン、女房の名前は知っていたか。」
大王は、くやしそうな顔をしました。
大王は、えんま帳と宗市と嘆願書を、大きな目でギョロリ、ギョロリと三回見回したあと、しばらく目をつむっていました。
「よし、宗市。針の山は、半年間待ってやろう。半年の間に、何かひとつでも人のためになる事をやれたら、罪を許して天国に昇らせてやろう。きょうは四月十日だから、約束の日は十月十日だ。」
大王は、大きな目をギョロリとさせて宗市に言いわたしました。
「宗市さん、宗市さん。大丈夫ですか。」
おまわりさんの山田さんが、心配そうに宗市じいさんの顔をのぞいていました。
自転車でマーケットに買い物に出かけた宗市じいさんは、公園の前でころんでしばらく気を失っていたのです。
さっきのえんま大王様と青鬼さんの話は、本当だったのかなあ。夢だったのかなあ。
宗市じいさんは、公園のベンチに座り、ころんでぶったひざをさすりながら、横木がなく、くさりだけが四本ぶらさがっているだけのブランコをぼんやりながめていました。
「お母さん、これじゃブランコ乗れないね。」
ブランコの前に、赤ちゃんを抱いたお母さんと男の子がやって来ましたが、横木のないブランコを見てすべり台の方へ行ってしまいました。
宗市じいさんは、ブランコの前に行きました。
「なあんだ。こんなのすぐ修理できるじゃないか。」
宗市じいさんは、家に帰り、角材と大工道具の入った道具箱を自転車の荷台にくくりつけて、公園にもどってきました。
ギーコギーコ、トントン、ガチャガチャ。
宗市じいさんは、三十分もしないうちにブランコに横木を取り付けてしまいました。
宗市じいさんは、まわりを見回しました。
砂場の横にさびついた金属のバネの台座が二つありました。その台座には、木製の馬がのっていました。子どもが乗って動かすとバネの力で馬が前後に動く遊具でした。
宗市じいさんは、家にあった材木のきれはしを使って三日がかりで、馬とキリンを作りました。
つづく
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題名、イマイチなんです。いい文字が浮かんでこなくて・・・・。
読まれているうちに、何か良い題名あったら教えてください。
箸にも棒にもひっかからない駄作童話ですが、著作権は放棄しません。
こんな作品でも、読み聞かせ等に利用される時は、
必ず、「はしもとまさよ作」と言ってからにしてね。
Posted by いちごさん at 06:02│Comments(0)
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